協会公式サイトで確認済

「審査に通りやすい保証会社」の本当の話 ― 過去に金融事故があっても、住む場所を見つけるために

全国賃貸保証業協会・全国保証機構の公式会員一覧をもとに、ネット上の誤情報を訂正します。

万年筆で書類に署名する手
このページの内容
  1. 審査に落ち続けている方へ
  2. 1. 審査で見られているのは、大家さんではなく「保証会社」
  3. 2. 保証会社は「3種類」ではなく「4種類」あります
  4. 3. 「独立系の代表4社」は、実は独立系ではありませんでした
  5. 4. 全保連は、クレジットカード会社グループの子会社になりました
  6. 5. 「この会社なら通る」は、誰にも書けません
  7. 6. では、どう動けばいいのか
  8. 7. 保証会社の系統一覧(公式情報で確認済み)
  9. 8. あなたの努力が足りないわけではありません

審査に落ち続けている方へ

クレジットカードの支払いが遅れてしまった。返済ができなくなって債務整理をした。携帯の分割払いを滞納していた。そういう過去があると、賃貸の入居審査で落ち続けることがあります。

借りられる可能性は、まだあります。ただし、そのためには「保証会社」という仕組みを正しく知っておく必要があります。

このページでは、協会や企業の公式情報を直接確認して分かったことだけを書いています。「たぶんこうだろう」という推測は書きません。根拠のない期待は、あとで人を傷つけます。

1. 審査で見られているのは、大家さんではなく「保証会社」

賃貸を借りるとき、今はほとんどの物件で「家賃保証会社」を使うことになります。連帯保証人を頼める人が少なくなったため、保証会社が代わりに保証する形が一般的になりました。

入居審査で最初につまずくのは、多くの場合「大家さん」ではなく「保証会社」の審査です。そして保証会社は、会社によって「何を見るか」がまったく違います。そのため、A社で落ちてもB社なら通るということが実際に起こります。

2. 保証会社は「3種類」ではなく「4種類」あります

ネット上の記事では「保証会社は信販系・協会系・独立系の3種類」と書かれていることが多いです。しかし実際には、加盟している団体で分けると4つあります。

① 信販系

クレジットカードやローンを扱う会社が母体の保証会社です。信用情報機関(CICやJICC)を照会します。

クレジットカードの支払い遅れ、携帯の分割払いの滞納、債務整理の履歴。心当たりがあるなら、この系統がもっとも厳しくなります。

例:オリコフォレントインシュア、アプラス、エポスカード(ROOM iD)、ジャックスなど

② LICC系(全国賃貸保証業協会に加盟)

一般社団法人 全国賃貸保証業協会(LICC)に加盟している保証会社です。加盟会社の間で家賃の滞納(代位弁済)情報が共有されます。情報は保証委託契約が終わってから5年間残るとされています。

つまり、クレジットカードの事故そのものではなく「家賃の滞納歴」を見るタイプです。過去にクレカで問題があっても家賃を滞納したことがなければ、ここは可能性があります。

LICC公式サイトの会員一覧(2026年4月時点)に載っているのは、以下の11社です。

出典:一般社団法人 全国賃貸保証業協会「会員の一覧」 https://jpg.or.jp/member02.html

③ CGO系(全国保証機構に加盟)

一般社団法人全国保証機構(CGO)に加盟している保証会社です。多くの記事では、この団体がまるごと抜け落ちています。以前は「賃貸保証機構(LGO)」という名前で、会員5社ほどの小さな団体でした。それが現在は全国保証機構(CGO)に改称され、正会員は28社まで増えています。「LGO系は5社だけ」と書いている記事は、情報が古いままになっています。

④ 独立系(どの団体にも加盟していない)

信販系でもLICC系でもCGO系でもなく、独自の基準だけで審査する保証会社です。他社との情報共有の仕組みを持ちません。一般に「審査が柔軟」と言われるのはこのタイプです。

3. 「独立系の代表4社」は、実は独立系ではありませんでした

ネット上の比較記事では、次の会社が「独立系保証会社」の代表としてよく紹介されています。

しかし、全国保証機構(CGO)の公式な正会員一覧を確認すると、この4社はすべて記載があります。

出典:一般社団法人 全国保証機構「会員企業」 https://www.cgo.or.jp/member.html

この4社は独立系ではなく、CGO系にあたります。「独立系だから他社と情報を共有していない」という説明は、この4社については成り立ちません。

なぜこれが大事か。「独立系だから大丈夫」と聞いて申し込み、落ちてしまったとき、理由が分からないまま自分を責めることになるからです。分類が違うのなら、最初からそう知っておいた方がずっといい。

さらに細かい話ですが、アーク・エルズサポート・ニッポンインシュアの3社は、LICCとCGOの両方に加盟しています。この点に触れている記事はほとんど見当たりません。

4. 全保連は、クレジットカード会社グループの子会社になりました

もうひとつ、比較記事がまだ反映していない大きな変化があります。全保連は2025年4月10日付で、三菱UFJニコス(MUFGの完全子会社)の連結子会社になりました。

出典:株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ プレスリリース(2025年4月4日) PDFを見る

三菱UFJニコスはクレジットカード会社です。これによって審査の中身がどう変わったのかは、公表されていないので分かりません。ここは断定しません。ただ、「全保連は独立系だから信用情報は見ない」という説明が今も通用するのか。そこは分からなくなった——それが正確な現状です。

5. 「この会社なら通る」は、誰にも書けません

調べていて、最後に行き当たった事実があります。

どの保証会社が信用情報(CIC・JICC)を照会しているかは、どの会社も公開していません。各社の公式サイトを確認しましたが、審査で信用情報機関を使うかどうかは書かれていません。この情報は申込書の同意条項にしか記載がなく、契約前の段階では見ることができないのです。

断定しません

「この保証会社は信用情報を見ないから通ります」と書いている記事は、公開されていない情報について推測で書いていることになります。私たちは、それを書きません。あなたが期待して申し込んで、また落ちて、傷つく可能性があるからです。

代わりに、公式情報から確実に言えることだけをお伝えします。

ここから先は確率の話であって、保証ではありません。それでも、どの系統を避けるべきかは判断できます。それだけでも、無駄な申し込みを何度も繰り返すより、ずっと消耗が少なくなります。

そして、推測に頼らなくていい方法が、実はもう一つあります。国が「利用しやすい」と公式に認定した保証会社の一覧が、2025年10月から公開されています。

→ 国が認定した保証会社の一覧が、実は公開されています

6. では、どう動けばいいのか

現実的で、消耗の少ない順番をお伝えします。

  1. まず自分の信用情報を確認する。自分がどういう状態なのかが分からないままだと、対策も立てられません。「見るのが怖い」という気持ちはとても分かります。でも、分からないまま何度も落ちるほうが、心が削られます。→ 自分の信用情報を確認する方法
  2. 不動産会社には、最初に正直に伝える。過去に金融事故があることを最初に伝えると、担当者は無駄な審査落ちを避けるために、信販系以外の保証会社が使える物件を優先して探してくれることがあります。隠していても、信販系の審査に回されれば結局分かってしまいます。
  3. 「どの保証会社を使う物件か」を聞いてよい。保証会社は入居者が選べません。物件ごとに決まっています。だからこそ、内見や申し込みの前に「この物件はどこの保証会社ですか」と聞いてかまいません。
  4. クレジットカード払いが必須の物件は避ける。家賃の支払い方法がクレジットカード払い限定の物件は、たとえ保証会社が信販系でなくても、カード会社の審査で信用情報を見られます。
  5. 保証人を頼める人がいる場合は、選択肢として相談する。保証会社を使わず連帯保証人で契約できる物件も存在します(保証会社も保証人も両方不要という物件は基本的にありません)。

7. 保証会社の系統一覧(公式情報で確認済み)

協会の公式会員一覧・企業公式サイトをもとに整理
系統何を見る仕組みか主な会社
信販系信用情報機関(CIC・JICC)オリコフォレントインシュア、アプラス、エポス(ROOM iD)、ジャックス
LICC系加盟社間の家賃滞納情報アーク、エルズサポート、K-net、興和アシスト、ジェイリース、大成保証、宅建ブレインズ、テンポスバスターズ、ニッポンインシュア、ランドインシュア、ルームバンクインシュア
CGO系団体としての加盟枠組みありフォーシーズ、日本セーフティー、Casa、ナップ賃貸保証、あんしん保証、いえらぶパートナーズ ほか
独立系(可能性)他社との情報共有の仕組みなし日本賃貸保証(JID)など

※ アーク・エルズサポート・ニッポンインシュアはLICCとCGOの両方に加盟しています。
※ 全保連は2025年4月にMUFGグループ入りしており、従来の分類のままでよいか判断できないため、この表では別扱いにしています。

8. あなたの努力が足りないわけではありません

金融事故があるというだけで、住む場所を探すことがこんなに大変になるのは、正直に言っておかしいことだと思います。あなたの努力が足りないからではありません。

このページは、その大変さを少しでも減らすために作りました。正確でない情報で期待させることは、優しさではない。だから、断定できないことは断定せずに書いています。

その代わり、書いてあることには全部出典をつけました。疑わしいと思ったら、リンクから公式ページを確認してください。確かめられる状態にしておくこと。それが今できる誠実さだと考えています。

出典一覧

このページは公開されている一次情報をもとに整理したものです。審査の結果を保証するものではなく、各社の審査基準は変更される場合があります。実際の契約にあたっては、必ず不動産会社および保証会社にご確認ください。
最終確認日:2026年7月