国土交通省の公式情報で確認

国が認定した保証会社の一覧が、実は公開されています ― 審査で断られ続けている人へ

2025年10月に施行された改正住宅セーフティネット法にもとづく、公的な制度の紹介です。

書類の束の上に置かれた住まいの鍵
このページの内容
  1. このページで分かること
  2. 1. 2025年10月に、法律が変わりました
  3. 2. 認定家賃債務保証業者の一覧(10者・2026年5月時点)
  4. 3. 認定を受けるには「断らない」ことが条件になっています
  5. 4. 「入居を拒まない住宅」が約97万戸、公式サイトで検索できます
  6. 5. 見守り付きの「居住サポート住宅」も始まりました
  7. 6. 自分が「住宅確保要配慮者」に当たるか
  8. 7. 無料で相談できる窓口があります
  9. 8. 家賃や保証料の補助制度もあります
  10. 9. 生活保護を受けている場合:代理納付
  11. 10. 実際の動き方(順番が大事です)
  12. 制度は、あなたのために作られています

このページで分かること

このページに書くことは、たぶんあなたが今まで読んできたどの記事にも載っていなかったことです。

国土交通大臣が「住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者」として認定した会社の一覧が、公式に公開されています。

「独立系だから通りやすいらしい」という推測の話ではありません。国が制度として認定し、事業者名を公表しているものです。

制度が始まったのは2025年10月です。まだ新しいため、比較サイトやまとめ記事にほとんど載っていません。だから知られていないだけで、あなたが使えるものです。

順番に説明します。

1. 2025年10月に、法律が変わりました

まず前提です。令和7年(2025年)10月1日に、改正住宅セーフティネット法が施行されました。

この法律は、高齢者・低額所得者・障害者などの「住宅確保要配慮者」が賃貸住宅に住めるようにするためのものです。

改正の背景を、国はこう説明しています。単身世帯が増え、持ち家率は下がった。借りたい人は増えている。一方で大家さんの側には、孤独死や残置物の処理、家賃滞納への不安がある。この両方を同時に解こうとするのが、今回の制度です。

出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000055.html

要するに、借りたい人と、貸すことに不安がある大家さんの間を、国が制度でつなごうとしている話です。審査で落ち続けている人にとって、これは味方になる制度です。

2. 認定家賃債務保証業者の一覧(10者・2026年5月時点)

改正法で新しく作られたのが、認定家賃債務保証業者制度です。住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を、国土交通大臣が認定する制度です。令和7年7月1日に申請受付が始まり、同年10月以降、順次認定されています。

認定家賃債務保証業者一覧(令和8年5月31日時点・10者)
事業者名本社所在地認定番号
一般財団法人高齢者住宅財団東京都千代田区第1号
エルズサポート株式会社東京都中野区第2号
レントエール株式会社大阪府堺市第3号
一般財団法人東京公社住宅サービス東京都渋谷区第4号
ジェイリース株式会社大分県大分市第5号
株式会社USEN TRUST東京都品川区第6号
ナップ賃貸保証株式会社東京都千代田区第7号
株式会社いえらぶパートナーズ東京都新宿区第8号
スリーエー株式会社兵庫県神戸市第9号
アーク株式会社岩手県盛岡市第10号
出典:国土交通省「認定家賃債務保証業者一覧」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr7_000064.html
制度の概要:認定家賃債務保証業者制度
断定しません

「この保証会社なら必ず審査に通る」という意味ではありません。認定は「要配慮者が利用しやすい事業者である」という国の認定であって、個別の審査結果を保証するものではありません。

ただし、こう使えます。不動産会社で相談するときに、「認定家賃債務保証業者を使える物件を探したい」と伝える。国の制度として認定された名前のあるリストなので、話が具体的に進みます。「審査が甘いところありますか」と聞くより、はるかに通じます。

国土交通省は、この制度を説明するための借主向けリーフレットも公開しています。不動産会社で話が伝わらないときは、これを見せてしまうのが早いです。

賃貸住宅を借りたい方(借主向け)リーフレット:PDFを見る

3. 認定を受けるには「断らない」ことが条件になっています

認定を受けるには、主に4つの要件を満たさなければなりません。業界紙の報道によると、その内容は次のとおりです。

  1. 居住サポート住宅に入居する要配慮者の保証を、正当な理由なく断らないこと
  2. すべての要配慮者の保証契約で、保証人を条件にしないこと。緊急連絡先を個人に限定しないこと
  3. 保証料が不当に高くないこと
  4. 要配慮者との契約実績や標準的な契約内容をホームページ等で公表すること

2つ目に注目してください。頼れる親族がいない、緊急連絡先に書ける個人がいない——それが理由で審査に進めなかった方にとって、これは決定的な変化です。認定を受けた事業者は、緊急連絡先として法人(居住支援法人や行政機関など)を認めることが条件になっています。

実際の審査通過率が公表されています

認定第1号となった一般財団法人高齢者住宅財団について、業界紙は2024年の審査通過率が99.6%だったと報じています。同財団は60歳以上の高齢者・障害者・子育て世帯などを対象としており、契約のうち生活保護受給者が約4割を占めるとされています。連帯保証人は不要で、緊急連絡先には法人も認められます。保証料は初回・更新とも月額家賃の35%です。

「認定を受けた事業者なら通る」と断定はできませんが、実際に要配慮者を受け入れている実績が、数字として公表されているということです。推測ではありません。

出典:全国賃貸住宅新聞「家賃債務保証の認定制度、開始」(2025年11月22日)
https://www.zenchin.com/news/content-4830.php

居住支援法人と連携している事業者もあります

同記事によると、ナップ賃貸保証は2014年ごろから居住支援法人と連携し、要配慮者向けの保証に取り組んでいます。連携する居住支援法人は120にのぼるとされています。この場合、部屋探しをする方の状況を居住支援法人が聞き取り、専用の用紙に記入する形で申し込みが進みます。

つまり、後述する居住支援法人に相談することが、そのまま保証会社の審査につながる導線になっているケースがあるということです。窓口に相談する価値は、情報をもらうこと以上にあります。

4. 「入居を拒まない住宅」が約97万戸、公式サイトで検索できます

もうひとつ、知られていない仕組みがあります。セーフティネット登録住宅という制度です。住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として、大家さんが都道府県などに登録した住宅です。

その情報は、国土交通省の公式サイトで検索・閲覧できます。

セーフティネット住宅 情報提供システム

登録件数は約12万9千件、登録戸数は約97万戸です(サイト上の表示)。都道府県ごとに絞って探せます。

大家さんがセーフティネット登録住宅として登録し、都道府県等がその情報を広く提供する。その情報を見て、住宅確保要配慮者が大家さんに入居を申し込むことができる——という流れです。こちらから「属性を理由に断られない」ことが前提の住宅を探せる、ということです。

正直に書きます

登録住宅の分布には地域差があります。「拒まない」は属性の話で、個別の入居審査や保証会社の審査がなくなるわけではありません。それでも、最初から門が開いている物件を探せるのは大きな違いです。

5. 見守り付きの「居住サポート住宅」も始まりました

2025年10月の改正で新しく作られた制度です。居住サポート住宅とは、居住支援法人等が大家さんと連携して、次の3つを行う住宅です。

  1. 日常の安否確認
  2. 訪問等による見守り
  3. 生活・心身の状況が不安定になったときの、福祉サービスへのつなぎ

居住サポート住宅 情報提供システム

一人暮らしで体調や生活が不安な場合、この仕組みがあることで大家さんの側の不安も下がります。「見守りがついているから貸せる」という物件があるということです。

6. 自分が「住宅確保要配慮者」に当たるか

制度を使えるかどうかは、ここで決まります。法律で定められているのは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯です。さらに省令で外国人等が定められています。

そして重要なのが次の点です。地方公共団体が賃貸住宅供給促進計画を定めることにより、住宅確保要配慮者を追加することができます。つまり、お住まいの自治体によって対象が広がっている場合があります。国土交通省は例として新婚世帯を挙げていますが、自治体ごとに違います。

「自分は該当しないだろう」と思っても、自治体の窓口や後述の居住支援協議会に確認してみてください。収入が低い状態にある方は、低額所得者として該当する可能性があります。

7. 無料で相談できる窓口があります

制度のなかで、もっとも使われていないのがこの窓口です。

居住支援法人

都道府県が、居住支援活動を行うNPO法人等を「居住支援法人」として指定する制度があります。居住支援法人が行う業務として、国土交通省はこう挙げています。

3つ目に注目してください。居住支援法人が家賃債務保証をしてくれる場合があります。一般の保証会社の審査で落ちてしまう人にとって、これは別ルートです。

出典:国土交通省「居住支援法人」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr7_000026.html

居住支援協議会

地方公共団体、関係業者、居住支援団体等が連携して、住宅確保要配慮者と大家さんの双方に住宅情報の提供等の支援を行う組織です。

出典:国土交通省「居住支援協議会」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr3_000019.html

どちらも、不動産会社を1軒ずつ回るより先に相談すべき窓口です。無料で、事情を分かっている人が対応します。「金融事故があって断られ続けている」と最初から言えます。

8. 家賃や保証料の補助制度もあります

セーフティネット専用住宅または居住サポート住宅に低額所得者が入居する場合、地方公共団体と国の協力で次の補助が行われます。

制度の詳細は自治体ごとに異なります。国土交通省は補助を実施している自治体の一覧も公開しています。

補助を実施している自治体一覧(令和7年8月時点・PDF)

9. 生活保護を受けている場合:代理納付

生活保護を受けている場合、住宅扶助を本人を経由せず直接大家さんに支払う「代理納付」という仕組みがあります。これは大家さんから見れば、家賃が確実に入ってくるということです。交渉のときに使える材料になります。ケースワーカーに「代理納付を使いたい」と相談してみてください。

10. 実際の動き方(順番が大事です)

  1. 居住支援協議会か居住支援法人に相談する。不動産会社より先にここです。無料で、事情を理解した上で動いてくれます。自分が住宅確保要配慮者に該当するかも、ここで確認できます。
  2. 自分の信用情報の状態を把握しておく。相談や申し込みの前に、自分が今どういう記録になっているかが分かっていると、話が早く進みます。手数料は500円から、クレジットカードがなくても手続きできます。→ 自分の信用情報を確認する方法
  3. セーフティネット住宅情報提供システムで物件を見る。希望エリアに登録住宅があるか確認します。見守りが必要な場合は居住サポート住宅の方も見てください。
  4. 不動産会社では、最初から制度名を出す。「認定家賃債務保証業者を使える物件を探したい」「セーフティネット登録住宅を紹介してほしい」と伝えます。
  5. 補助制度を確認する。自治体一覧のPDFで、家賃や保証料の低廉化補助が使えるか確認します。
  6. 生活保護を受けている場合は代理納付を相談する。ケースワーカーに伝えます。

契約の前に、もうひとつ確認しておきたいこと。家賃の支払い方法がクレジットカード限定の物件は、保証会社が信販系でなくてもカード会社の審査が入ります。カードが作れない状況なら、口座振替が選べる物件を選ぶほうが安全です。カードや携帯が契約できない場合の代わりの手段は、カードと携帯の代替手段にまとめています。

ここまで試しても決まらなかった場合。賃貸を借りる以外に、会社の寮に入るという方法があります。契約するのは会社なので、入居審査そのものを経由しません。→ 寮付き求人という選択肢

制度は、あなたのために作られています

審査に落ち続けていると、「制度から外された人間なんだ」という気持ちになると思います。

でも実際には逆です。あなたのような状況の人が住めるように、国は法律を作りました。保証会社を認定し、97万戸の住宅を登録し、相談窓口を都道府県に置いています。

問題は、それが知られていないことです。制度が新しすぎて、まとめ記事にも載っていない。不動産会社の担当者すら知らないことがあります。

だから、知っているだけで結果が変わります。このページのリンクは全部、国土交通省の公式ページです。そのまま印刷して不動産会社に持って行っても構いません。

住む場所は、生活のすべての土台です。ここが決まれば、他のことは後から立て直せます。

出典一覧

大部分が国土交通省の公式ページです。認定要件と実績の数字は業界紙の報道によります。

このページは国土交通省が公開している情報をもとに整理したものです。認定事業者や登録住宅、補助制度の内容は更新されるため、実際の利用前に必ず公式ページで最新の情報をご確認ください。
最終確認日:2026年7月